現在36歳の兼業主婦、在宅でライター業に携わっています。今から十年以上前、私が大学院生で当時23歳だった頃の経験談なのですが、わき腹から背中部分にかけて、思いもよらない皮膚トラブルに遭遇したことがあります。
生乾きの下着が原因?背中のかゆい蕁麻疹は一体なに?
それは長雨の続く冬の始まりでした。私は院生になった時に下宿を変えて、何人かの学生と一緒に狭い家のシェアをしており、そこで初めて迎える冬でした。
洗濯物がなかなか乾かず、何日も部屋干しをしてようやく着られるような状態だったのですが、そのなかに生乾きの下着類があったのでしょうか。いつしか、背中の部分にかゆみを感じるようになり、それがどんどんひどくなって、手で触るとざらざらとした感触がありました。
シェアメイトに見てもらうと、「この赤い線は、ブラのあとでしょう?そこに沿って、なんだかかぶれているような状態になっているよ。ところどころに、赤いぶつぶつもできている。にきびとはちょっと違うみたい、蕁麻疹かなあ」という風に言われました。
確かに、ブラジャーの背中部分に沿ってかゆみを感じていました。そのかゆみは次第にひどくなっていき、授業中に猛烈に背中がかきたくなるなど、我慢がならない状態になってしまいました。
皮膚科での診断結果は「乾癬(かんせん)」でした
そこで病院の皮膚科にかけこむと、「乾癬(かんせん)」と診断されたのです。
初め私が考えたように、生乾き状態の下着を身に着けて雑菌が繁殖したのが原因ではありませんでした。体の中の免疫システムに何らかの異常があり、ストレスが引き金で体中いたるところにこういった湿疹やかさぶたが出現する病気だ、と医師に言われました。
とにかくひどいかゆみを抑えるため、一時的にステロイド剤の軟膏を処方してもらいました。
その軟膏でかゆみはおさまり、ひどかった赤いただれも徐々に治って行きました。ただ数か月と時間がたっても、火傷かシミのようなつるつるした跡はなかなか消えず、何となく背中を露出するのはためらわれるようになりました。
乾癬は遺伝性の病気といわれ、完治することがないそうです
また、通院中に医師に言われたのですが、乾癬(かんせん)は完治することのない遺伝性の病気なので、一度症状がおさまったとしても、強いストレスや体調不良の際などに再発することが多いというのです。一度出た場所に繰り返して現れることが多いとも聞いたので、それ以来私は少しでも背中にかゆみを感じると、ギクッとするようになってしまいました。
実際、それからの十数年の歳月の中でも、数年に一度の感覚で背中の乾癬は再発しています。最初の時に比べて私も慣れてきているので、初期に薬用クリームを塗ったりするだけで治まってしまうことが多いのですが。
それでも、ホック部分が金属の普通のブラジャーは敬遠するようになりました。金属アレルギーの傾向もあるので、それがストレスにならないように、乾癬の引き金にならないように…と思いつつ、極力スポーツタイプのブラジャーで過ごすようにしています。