美肌を作るために大切なことが毎日の食事です。食事をおろそかにして、化粧品でケアをしたりエステに通っても、美肌を手に入れることは難しいです。
でも、どうして美肌のためには食事が大切なのでしょうか。また、どのような食事をしたらよいのでしょうか。
美肌と食事の関係
体は食べたものでできています。肌細胞も毎日口にしている食べものの栄養素をもとに作られています。
口から摂取した食物は、胃や小腸で分解されてから吸収され、体のさまざまな部位に栄養素が運ばれて利用されます。栄養素が足りなければ、体を健康的に保つことはできません。そして、健康な肌細胞を作ることもできません。
化粧品でのケアやエステは外からのケアです。一時的にはきれいになるかもしれませんが、土台が整っていなければ外からのケアをしても大きな変化は期待できません。
食事を整えるのは内側からのケアです。体の内側から整えることで美肌の土台が整い、化粧品でのケアなどの変化を実感しやすくなります。
食事が不規則、コンビニのお弁当や加工食品ばかり食べている、お菓子が大好き、こういった方は食事を見直すことで肌の変化を実感しfことでしょう。
美肌のための食事の基本ルール
基本的なことですが、偏食をせずにバランスよく食べることが美肌を作るためには大切です。
この食材が美肌によいというとその食材ばかり食べる方がいます。たしかに、美肌によいといわれる食材は、何かしら美肌によい成分を含有していて、美肌作りをサポートしてくれることでしょう。その例がコラーゲンです。コラーゲンを摂取して肌がぷるぷるになったと実感した経験があると思います。
しかし、ある食材だけを食べていると栄養バランスが崩れてしまいます。美肌を作るためには、数多くの栄養素が必要です。さまざまな食品を食べることでさまざまな栄養素を摂取することができます。特定の食べものに偏らず、いろいろなものを食べるようにしましょう。
また、規則正しく食事をすることも美肌を作るためには大切です。食べたり食べなかったりしていると、体のリズムが乱れて肌代謝に影響を与えます。仕事をしていると毎日決まった時間に食事をすることは難しいかもしれませんが、朝・昼・夜と規則正しく食べるようにしましょう。
タンパク質
美肌の条件の一つが肌に潤いがあることです。
スルメイカを思い浮かべてください。海の中を泳いでいるイカは水分が多くみずみずしいですが、スルメイカにすると水分が減ってシワシワになってしまいます。肌も水分が少ないとシワシワでくすんだようになります。
肌にはもともと潤いを保持する成分が備わっています。それが、細胞間脂質、天然保湿因子、皮脂です。肌の潤い保持力の80%ほどを細胞間脂質、18%ほどを天然保湿因子、2%ほどを皮脂が担っています。
潤い保持力の大部分を担う細胞間脂質と天然保湿因子は肌代謝(ターンオーバー)の過程で生まれます。ターンオーバーを整えるために必要な栄養素がタンパク質です。
人間の体を構成する成分で2番目に多いものがタンパク質です。肌の他にも、内臓、筋肉、髪、爪、骨などもタンパク質でできています。体のさまざまな部位が必要としていて、生命維持に重要な部位から優先的にタンパク質が使われるため、タンパク質が不足をすると肌にまでタンパク質が回らなくなってしまいます。タンパク質が不足をするとターンオーバーが乱れて肌が乾燥をします。
タンパク質が豊富な食品は、魚、肉、卵、大豆、乳製品などです。
タンパク質が分解されるとアミノ酸になります。人間には体内で合成できない9種類の必須アミノ酸があり、9種類の必須アミノ酸をすべてバランスよく摂取しないと、体内で効率的に利用することができません。食材に含まれるアミノ酸のバランスはそれぞれ違うので、いろいろな食材を食べるようにしましょう。
1食で摂取するタンパク質量ですが、手のひら一枚分タンパク質を摂ることが目安です。一度に大量に摂取しても体はうまく利用できないし、体の負担になってしまうので、毎食でタンパク質が多い食品を摂取するようにしましょう。たとえば、朝に目玉焼きとハム、昼に魚焼き定食、夜に豆腐や納豆といったように、毎食で何かしらタンパク質が多い食品を摂るようにします。
ビタミンC
美肌によい栄養素としてよく知られているものがビタミンCです。
ビタミンCには、メラニンの生成を抑制する、コラーゲンの生成を促す、抗酸化作用があり活性酸素から守るなどの働きがあります。
ビタミンCを多く含む食品は、レモン、イチゴ、パセリ、キウイ、ゴーヤ、赤ピーマンなどです。
熱に弱い性質があるので、加熱をするときはサッとすませ、できるだけ生で食べると上手に摂取ができます。サツマイモやじゃがいもはでんぷんによってビタミンCが守られているので、加熱をしてもビタミンCが壊れにくいです。また、水溶性ビタミンで体内にため込むことができず、一度に大量に摂取をしても排泄されてしまいます。そのため、1日を通してこまめに摂取するのが上手な摂取方法です。朝にフルーツサラダやスムージー、お昼に生野菜、おやつに果物といったような食べ方をすると上手に摂取できます。
ビタミンCにはメラニンの生成を抑制する働きがあるのですが、ビタミンCが多い一部の食品を摂取する際には注意点があります。パセリ、レモン、バジル、セロリなどには、ソラレンという物質が含まれています。ソラレンを摂取してから紫外線を浴びるとシミができやすくなるので、ソラレンを含む食品を食べるのは紫外線を浴びることがない夜にするとよいでしょう。
必須脂肪酸
オメガ3とオメガ6は体内で合成できない必須脂肪酸です。オメガ6は過剰摂取が指摘されているので意識して摂取する必要はありませんが、オメガ3は不足傾向です。
オメガ3は細胞膜の原料になる働きがあり、しっとりした肌やツヤツヤな髪を作るために必要です。不足をするとターンオーバーが乱れた肌がかさつくようになります。
オメガ3が多い食品は、青魚、亜麻仁油、しそ油、クルミ、チアシードなどです。
酸化されやすい油なので加熱調理には使用しないでください。亜麻仁油やしそ油は、サラダや納豆など加熱しない食材にかけて食べるとよいでしょう。また、保管は冷蔵庫で行い、開封後はできるだけ早めに食べきるようにします。光に当たると酸化が進むので、遮光瓶に入っている亜麻仁油やしそ油などを購入することが望ましいです。
油はカロリーが高いから、肌がべたつきそうだから、ニキビを増やしそうだからなどの理由で摂取を控える方がいますが、油は体のエネルギー源になったり肌細胞を構成するなど必要なものです。どれくらい摂取するのかやどのような油を摂取するのかが重要です。オメガ3は必須脂肪酸で体内では合成できず食事から摂取する必要があるので、美肌のためには適量を摂取するようにしましょう。
ビタミンA
ビタミンAは健康な粘膜や皮膚を作るために必要な栄養素です。抗酸化作用もあり、活性酸素から守ってくれます。乾燥肌の予防のために摂取しておきたいです。
ビタミンAが多い食品は、うなぎ、レバー、卵黄などです。βカロテンから体内で作ることもできます。βカロテンが多い食品は、ほうれん草、モロヘイヤ、にんじん、かぼちゃなどです。脂溶性ビタミンで油と一緒に摂取をすると吸収がよくなります。
普通に食事をしている限りは過剰摂取になる心配はありませんが、体内から排泄されにくいのでサプリメントを利用する場合は過剰摂取にならないように気をつけてください。