背中が常にかゆい、夜になるとかゆい、ぶつぶつしている、空気が乾燥している冬になると背中がかゆくなるといった症状が出ていませんか?こういった背中のかゆみの症状には、人によって様々な原因があります。
そこで、記事では背中のかゆみの原因と解決方法について紹介していきます。原因を知って正しくケアしていくことで、かゆみを抑えられるようになりますよ。
背中がかゆい原因~症状別~
背中がかゆいと感じてしまう原因は様々ですが、ニキビや汗疹、乾燥などが原因となっている人が多くいます。かゆみを感じ始め、鏡で背中を確認してみると背中にぶつぶつした吹き出物ができていた!ということはありませんか?では、背中ニキビや汗疹は、どうしてできてしまうのでしょうか?1つ1つの原因を見ていきましょう。
背中がかゆい原因~ニキビ~
背中を触ってみると、ぶつぶつというよりザラザラしている、という人は、背中ニキビが理由でかゆみを発症している場合があります。また、赤くぽつっとした感じで、炎症を起こしてしまっている吹き出物もニキビです。
背中のニキビがかゆくなってしまうのは、ニキビができている部分に刺激を与えていることが原因です。元々、ニキビがかゆくなるようなことはありません。
しかし、普段から着ている衣類で擦れるなどしてニキビに刺激を受けると、肌にかゆみを感じることがあります。そして、ボリボリ背中を掻くことでニキビもかゆみも悪化していきます。なぜなら、刺激を受けた肌は次第に敏感になっていき、炎症が広がってしまうからです。最悪の場合、背中全体がかゆくなることもあります。
また、ニキビを放置していた結果、ニキビ跡となってしまった場合にもかゆくなることがあります。
背中がかゆい原因~汗疹~
汗をかいたとき、運動したな~という日の夜、重ね着などで背中が蒸れた日などにぶつぶつができるのが汗疹の症状です。
汗疹から背中がかゆくなってしまうのは、汗が皮膚の内部にしみ出して炎症を起こし、小さなブツブツがたくさんできてしまうからです。この症状は、大量の汗が汗線をふさぐことで起こり、大人よりも子供の方が起きやすいとされています。
だからと言って大人には汗疹ができないということではなく、肥満体型の人や汗をかきやすい代謝の良い人、多汗症の人は汗疹ができやすくなります。
背中がかゆい原因~乾燥~
肌が乾燥して背中がかゆくなる人の場合は、冬の空気の乾燥でかゆくなるパターンと、常に肌が乾燥している乾燥肌の2つの種類があります。
肌が常に乾燥するという人は、肌のうるおいが足りておらず、バリア機能が弱まることで様々な刺激を受けやすくなっており、かゆみが発生していると考えられます。
どちらのタイプにせよ、肌の水分量が足りていないということに変わりはなく、表皮が赤くなることでかゆみが発生してしまいます。
乾燥肌になるのはアトピー性皮膚炎や年齢によるもの、環境の問題など様々な要因があり、アトピー性皮膚炎の場合は生まれ持った肌質からなることが多く、赤ちゃんの頃から肌が乾燥しやすい状態と言えます。
大人になってもこの肌質は残ることが多いため、元からアトピー性皮膚炎の方は肌が乾燥しやすく、かゆみが発生しやすいのです。
また乾燥肌は年齢から発生するものや、環境によって引き起こされることもあります。年齢が原因で起こる乾燥は、肌の内側にある角質層の水分が加齢によって減ることが原因で起こります。
一方、環境が原因で起こる乾燥の場合は、湿度の低さや冷暖房の効き過ぎなどが乾燥を引き起こしていると考えられています。
背中がかゆい原因~蕁麻疹~
ブツブツができた場合、病院へ行くと蕁麻疹と診断されるケースが多くあります。何かへのアレルギーが出てしまった場合が多く、一時的な発症で終わる人もいれば、なかなか治らないケースもあります。
アレルギーの種類は様々で、よく聞かれる食べ物のアレルギーの他、衣類などの繊維に対するアレルギー、ホコリやカビなどへのアレルギーなどがあります。珍しいところでは、絹アレルギーであったり、彼氏のベッドで寝ていたら蕁麻疹を発症した、というケースもあります。
また、大人になってからの蕁麻疹で多いのが、ストレスからくるものです。職場を異動することになった、新しい転勤先で働き始めた、仕事が忙しいなど、人によって理由は色々ありますが、仕事のストレスが原因で背中に蕁麻疹を発症してしまう人は意外と多いものです。そして、蕁麻疹は必ずかゆみを伴うため、多くの人が苦しめられます。
背中のかゆみを抑える方法
背中のかゆみは様々な原因が考えられるのですが、放っておいてもなかなか治らないのが背中のかゆみの特徴です。逆に、かゆみを感じてしまうことから背中を掻いてしまい、かゆみが悪化したり炎症が酷くなるということも考えられます。背中にニキビができたことによりかゆみを感じている時は、背中を掻き過ぎるとニキビ跡としてシミのように残ってしまうこともあります。
まずは、かゆみを抑えるためにすぐにできる方法をご紹介しますので、これ以上悪化させないようにしてみてください。
かゆい背中へは刺激を与えない
背中にニキビができたことが原因でかゆみが起きている場合は、刺激を与えないようにケアしていきます。かゆいからといって、背中を掻くのは絶対やってはいけません。
背中のニキビは毛穴に皮脂や角質などが溜まり、アクネ菌が発生している状態です。毛穴に溜まった汚れを落とすようにケアしたり、ピーリングを行うことでアクネ菌や皮脂、角質などを除去できるようになります。
また、ニキビが炎症を起こしている場合は、ニキビ専用の薬用クリームを使ってケアすると効果的です。
かゆい背中は清潔に保つ
汗疹が原因で背中にかゆみが出てしまう時は、汗が溜まりにくい環境を作ってあげるようにすると効果的です。
汗が溜まらないようにするには、汗が出たらその都度キレイに拭いて清潔感を保つことで、汗疹をできにくくすることが可能です。
他にも、汗を吸収しやすいインナーを着用したり、制汗剤を朝つけておくなど、お肌に汗が停滞しない工夫をしてみましょう。
その他には、お風呂上がりに市販薬を塗ったり、ベビーパウダーなどを使ってケアするのもかゆみを抑える効果があります。
かゆい背中への保湿は大切
背中の乾燥が原因でかゆみが起きている場合は、肌が乾燥しやすい時期やお風呂上がりに保湿を十分に行うだけでかゆみを抑えることができます。
毎日のケアを怠ってしまうとすぐに肌が乾燥し、かゆみが出てしまいますので、保湿を忘れないようにしましょう。入浴後は、お肌が水分を吸収しやすくなっていますので、入浴後の保湿ケアは毎日取り入れましょう。このとき、かゆみを抑える成分が配合されたジェルなどを使用すると、より効果的です。
また、年齢が原因で起こる乾燥肌も保湿が重要です。年齢が高めの人は、保湿をすることで肌に必要な水分が逃げないようにすることができます。
乾燥肌の人は、部屋の湿度を45~60%程度に保つと、肌の乾燥を防げるようになります。湿度が10%を切ると肌が乾燥しやすくなり、かゆみが発生することになりますので注意しましょう。
さらに、季節によっては冷暖房を強めに設定してしまうこともありますが、冷暖房が効き過ぎると肌が乾燥しやすくなりますので気をつけましょう。
背中がかゆいだけでも皮膚科へ行くべき?
ニキビ専用の薬用クリームや保湿効果のある化粧品を使って毎日ケアしていても、一向にかゆみの症状がなくならないという人がいます。そのような場合は、一度医師の診察を受けてみると良いでしょう。
自分では「ニキビかな?」「ただの乾燥かな?」と思っていても、違う皮膚疾患を発症している可能性もあります。医師に診察をしてもらうことでかゆみの原因が特定され、効果のある薬を処方してもらえるはずです。
背中のかゆみに対して病院で処方される薬
背中のかゆみで病院を受診する場合には、皮膚疾患の専門家である皮膚科を受診するようにしましょう。特に、内科などを併設している病院ではなく、皮膚科を専門としている病院を受診するようにしてください。
病院では、一般的に外用薬・塗り薬が処方されます。抗生物質や抗炎症剤などが含まれた外用薬を使い、かゆみを改善させていきます。
外用薬を塗っている間に、かゆみが完治すれば問題ないのですが、途中で薬をやめてしまったりすると再発のおそれがあります。この抗生物質や抗炎症剤などの薬は一時的にかゆみを抑えるだけで、その間にかゆみが落ち着く(改善する)のを待っているのです。薬の効果が切れたりケアしない日が続いていくと、再びかゆみが発生してしまいます。
かゆみが発生しないようにするためには毎日のケアが重要なのですが、薬の種類によっては長期間使用することで細菌が薬剤耐性を持つため、抗生物質が効かなくなることがあります。
強いかゆみを抑る場合には、ステロイドの外用薬やラネケイン、ヒルドイドやワセリンなどで治療を行うこともあります。
皮膚科でもっとも処方されることが多い外用薬はヒルロイドで、ローションやクリーム、軟膏などのタイプがあります。この薬は保湿力が高いため、乾燥肌の人やアトピー性皮膚炎などから起こるかゆみを抑えることができます。
アトピー性皮膚炎や乾燥肌が悪化してかゆみを引き起こしている時には、ステロイドと言われるリンデロンvg軟膏を使って炎症やかゆみを抑えていきます。
しかし、中にはステロイドでかゆみを抑えたくないと思う人もいるでしょう。ステロイドは肌への負担が大きく、副作用などもありますからね。そういう人はラナケインの外用薬でカサカサになった肌を抑え、かゆみをなくしていくことになるでしょう。
医師に相談することも良い
皮膚科ではこういった薬を処方してくれますので、背中のかゆみを改善させることができるようになります。病院のよいところは、やはり症状に合わせた適切な薬をもらえる、という点でしょう。特に背中というのは、なかなか自分では確認しづらい部位ですので、かゆみが気になる方は皮膚科の受診を検討してくださいね。
早い対応はニキビの悪化や炎症の悪化を防ぐことができます。また、保湿を促すことで肌が乾燥しにくくなり、背中がかゆくなるような症状が出ないようにすることも可能です。
背中のかゆみを改善させたい場合には、自宅でケアするのも良いですが、できることなら医師に原因を調べてもらい、それに合う薬を処方してもらうのも良い方法と言えるでしょう。
まとめ
- 背中のかゆみは様々な原因で発症している
- ニキビが原因の場合、お肌への刺激や負担がかゆみにつながっています
- 汗疹が原因の場合、汗を放置することでかゆみにつながっています
- 乾燥が原因の場合、お肌のバリア機能が低下してかゆみにつながっています
- 今すぐできる対策は3つ!背中を掻かない!汗を拭く!保湿をする!
- それでもかゆい時は、皮膚科を受診するようにしましょう
いかがだったでしょうか。私も経験がありますが、背中のかゆみというのは一度発症するとずーっと気になってしまい、仕事に集中できなかったり、寝られなかったりと普段の生活に支障が出てしまいます。
掻くと気持ちがいいのでついつい手を伸ばしてしまいがちですが、かゆみは掻けば掻くほど悪化していきますので、早めの対策をおすすめします。まずは手軽にできるケアをやってみて、それでもダメなら皮膚科を受診する、というのがいいでしょう。